事故を起こしても自動車保険があるから大丈夫!!なんて思っていたら保険が使えない!?そんなまさかが起こらないよう、自動車保険が使えない場合もあるということを覚えておきましょう。
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【交通事故を起こしてしまった場合の責任】
まず交通事故を起こしてしまった時、どんな責任を負うことになるのでしょう?
交通事故を起こした場合、加害者は「刑事上の責任」、「行政上の責任」、「民事上の責任」の3つの責任を負うことになります。
刑事上の責任では、危険運転致死傷罪、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪、および過失運転致死傷罪などの罪により、懲役、禁固、罰金などの処罰が行われます。行政上の責任では、運転免許の取り消しや停止、原点、反則金などの処分が行われます。民事上の責任では、不法行為によって他人に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任を負うため、損害を金銭で賠償します。
刑事上の責任や行政上の責任を果たす場合、懲役や罰金、免許の取り消しや停止などでその責任を果たすことができますが、民事上の責任は被害者に対して金銭で損害を賠償することになります。
交通事故で他人を死傷させてしまった場合、被害者やその家庭に賠償をする責任を負うため、高額な損害賠償責任を負うことになります。加害者に賠償するための資金が十分にない場合、被害者への十分な賠償ができないどころか、加害者もまた経済的に困窮する事態になります。
自動車保険に加入することで、万が一の事態に備えることができるのです。
【対人賠償:自賠責保険の重要性】
対人賠償とは、契約の車の事故により、他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負う場合に、相手方一名について保険金額を限度に保険金が支払いになります。対人賠償はまず、強制保険である自賠責保険が使用されます。
自賠責保険は死亡3000万円、後遺障害4000万円、傷害120万円の補償がありますので、死傷した方への損害賠償がこの金額を超えて初めて任意保険を使用することになります。
公道を走る自動車は自賠責保険に入ることが義務付けられていますが、万が一自賠責保険が切れていた場合、いくら任意保険(任意で加入する自動車保険)に加入していても自賠責保険で負担する分の賠償金を負うことになりますので、自賠責保険は絶対に切らさないようご注意ください。
また、対人賠償で支払いの対象外になる人もいます。
それは①記名被保険者(契約の車に主に乗るとされている人)、②契約の車を運転中の人、③補償を受けられる人または運転をしていた人の父母・配偶者または子、④補償を受けられる人の業務に従事中の使用人です。
近親の身内や従業員を死傷させても対人賠償保険は使えませんので、ご注意ください。
【対物賠償:対象外となる物】
対物賠償とは、契約の車の事故により、車や塀等の他人の財物を壊し、法律上の損害賠償責任を負う場合に、保険金額を限度に支払い対象となります。
車や塀というとせいぜい数百万円の損害課と思いますが、ガードレールや電柱など、公共の物を破損させてしまった場合、事故によっては数千万円になる場合もありますので、対物賠償は無制限にしておいた方が安心です。
【保険金の支払いにならない主な場合】
自動車保険は補償の種類によって免責(保険金が支払われないこと)事由が変わってきます。
例えば飲酒運転で事故を起こした場合、自分の車を修理することや自分の怪我を治療するような、自分のための補償を使うことはできませんが、被害者保護の観点から、被害者の損害に対しての補償(対人・対物)は使えます。
【対人・対物賠償で保険金が支払われない主な場合】
- 第三者との損害賠償に関する特別な取り決めにより、損害賠償責任が加重された場合、その加重された部分の損害
- 契約の車を運転中の方の父母・配偶者または子にケガをさせた時、またこれらの方が所有、使用または管理する財物を壊したことにより、補償を受けられる方が被った損害
- 台風、洪水または高潮によって生じた損害
【人身傷害保険で保険金が支払われない主な場合】
- 無免許運転や酒気帯び運転によって、運転者本人に生じた損害
- 補償を受けられる方が車の使用について正当な権利を有する者の承諾を得ないで乗車中に、その本人に生じた損害
- 補償を受けられる人の脳疾患、疾病または心神喪失によってその本人に生じた損害
【車両保険で保険金が支払われない主な場合】
- パンク等のタイヤのみ生じた損害(火災・盗難に生じたタイヤの損害は補償の対象になります)
- 契約者、契約者の車の所有者または保険金受取人の無免許運転や酒気帯び運転によって生じた損害
- 欠陥、摩滅、腐食、さび、その他自然の消耗
- 法令により禁止されている改造を行った部分品または付属品に生じた損害
- 故障損害
【上記の保険に共通で保険金が支払われない主な場合】
- 地震・噴火・またはこれらによる津波によって生じた損害
- 契約の車を競技または曲技のために使用すること(練習を含む)、競技または曲技を行うことを目的とする場所で使用することによって生じた損害
- 契約者、記名被保険者等の故意によって生じた損害
特に飲酒運転で事故を起こした場合、自分自身への補償が得られませんので、くれぐれも飲酒運転はしないようにしましょう。