皆さんは、ご自身の老後の生活って想像できますか?
「定年後は年金が貰えることは分かっているけれど、実際いくらくらいなの?」「どれくらいあれば生活に困らないの?」と不安は尽きないですよね。
そもそも年金ってどういうものなのか分からない方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、豊かな老後を送るための年金と老後資金について考えてみましょう!
Contents
そもそも年金ってなに?
まずは年金とはどのようなものか一緒におさらいしていきましょう。
国が運営・管理している年金は主に「国民年金」「厚生年金」です。
- 国民年金
年金の中で、最も基本的な生活の保障です。これがベースになることから、「基礎年金」や「年金の1階建部分」なんて言い方もされます。
日本国内に住んでいる方は、20歳以上60歳未満の方は学生や無職など職業にかかわらず強制的に加入することになります。
原則として65歳から年金を受け取ることができますが、実際に受け取る為には、合算して25年以上保険料を払っていることが条件になります。
また、受け取れる年金額は、払込んでいた期間によって変わります。
- 厚生年金
国民年金のさらに上乗せする形の年金です。その仕組みから「年金の2階建て部分」とも呼ばれます。
公務員や会社員の方が対象で、自営業や無職の方は加入できません。多くの方は給料から天引きになっているかと思いますが、この厚生年金保険料の中には国民年金の保険料も含まれています。
受け取れる年金額は、加入していた期間や払込んだ保険料によって変わるので人それぞれです。
これに対して、厚生年金に加入できない自営業や無職の方を対象とした国民年金基金もあります。こちらは公務員や会社員の方は加入できません。
- その他の年金
国民年金や厚生年金の他には、厚生年金基金や企業年金などさらに上乗せで年金が受け取れるものもあります。「年金の3階建て部分」と言われ、より手厚い生活の保障を得ることが出来ます。
年金でいくら貰えるの?
年金の形がざっくり分かったところで、では実際に年金はいくら貰えるのでしょう?
平成29年3月に厚生労働省が発表した「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金加入者の全国の平均月額は約5.5万円、厚生年金加入者の平均月額は約14.7万円というデータが出ています。
これはあくまで平均なので、払込期間などによって個人差はありますが、国民年金と厚生年金では大きな差があることが分かります。
また、厚生年金は男性の平均は65歳以上で約17.8万円、女性は10.9万円と男女間でも大きな差が出ています。
この金額で考えると、例えば厚生年金に加入している会社員の夫と夫の扶養に入っている妻の場合、妻が受け取れるのは国民年金だけになるため、厚生年金17.8万円と国民年金5.5万円で月額平均約23.3万円が年金として受け取れるわけです。
老後の生活費の平均は?
総務省統計局の「平成28年家計調査報告」では、仕事を引退している2人以上の高齢者世帯一カ月当たりの消費支出額は65~69歳で約26万円だそうです。
仮に65歳で退職した場合、85歳までに必要な世帯生活費は、月々26万円が1年間で312万円。これを20年間なので合計6,240万円という大きな金額が必要な計算になるのです。
自営業などで夫婦ともに国民年金の世帯の場合、受け取れる年金額は月々11万円、1年間で132万円。65~85歳まで受け取った場合は20年間なので、受取総額は約2,640万円になります。そうなると3,600万円の生活費が足らなくなってしまうのです。
年金だけでは足りない!老後費用の貯め方はどうすれば?
「年金があるからなんとかなる!」と思っていた方も、これを見て少し不安に感じて来たのではないでしょうか。
では、老後の費用を貯めるにはどのような方法があるのでしょう?
- 貯金で貯める
一番簡単な方法は、コツコツ貯金することです。しかし、日々の暮らしをしながら数千万円を貯めるのは余程余裕が無ければ出来ませんよね。それでも月々決まった金額を別の口座に移したりや、ボーナスを貯金に回すなど計画的に行いましょう。
- 保険で貯める
保険を利用して貯めるのも一つの手です。
決まった保険料を払込みながら万が一の時の保障も持てます。
個人年金保険
所定の年齢から年金のように受け取ることができる保険です。
一括で受け取ることが出来る「一時金」、5年、10年など確実に受け取ることが出来る「確定年金」、一生受け取れる「終身年金」などの種類があります。
終身保険
万が一の時に保険金が受け取れる終身保険ですが、貯蓄目的で使うことも出来ます。
払込終了後は、利率で運用されるのでそのまま解約せず置いておくと払込金額よりも増やすことが出来ます。
ドル建て終身保険
少し変わりダネですが、ドルで積み立てる保険もあります。円で積み立てるよりも予定利率が高いので、安い保険料で保障を持つことが出来ます。
しかし、為替リスクがあるので場合によっては元本割れしてしまう危険があります。
金利でお得に思える保険ですが、急にお金が必要になった時、保険は貯金のように簡単にお金を手元におろすことが出来ません。金利に惑わされず、ご自身の金銭環境を良く考えて加入しましょう。
まとめ
国が運営する年金には、20歳以上の方ならば強制加入の国民年金と、会社員や公務員が加入できる厚生年金がありました。さらに保障を手厚くする年金基金というものもあります。
年金の受取額は、国民年金で平均月額約5.5万円、厚生年金で平均月額約14.7万円。
それに対して、平均の消費支出額は2人以上の65~69歳の高齢者世帯で約26万円なので、個人差はありますが年金だけでは心もとない状況です。
老後資金の貯め方は、貯金や保険など様々な方法がありますので、ご自身にあった方法でこつこつ貯蓄していきましょう!