今、世の中には保険に入ってない自動車がどのくらい走っているのでしょう？実は公道を走る自動車のうち、２～３割の自動車は無保険なのです。
地域によって差がありますが、加入率が８割近いところもあれば、５割程度しか入っていない地域もあります。そんなに保険に入っていない人が多いなんて驚きですよね。無保険の自動車と事故にあってしまった場合どうなるのでしょう？
保険会社の役割
事故にあったら保険会社が全部やってくれるから、任意保険さえ入っていれば保険会社に任せられるから安心だし大丈夫！・・・こう思っていませんか？保険会社は事故の時に対応してくれますが、なんでもできるかというと、そうではありません。
保険会社はざっくり言うと、事故があった時にあなたの代わりに示談をしてくれる人、という立ち位置です。ですので、あなたに過失があって、相手に賠償する義務が生じた場合に初めて、保険会社はあなたと事故相手の間に立つことができるのです。
保険会社はあなたに賠償する義務が生じた時、あなたの過失（責任）が少なくなるように相手と交渉してくれます。過失が少なくなればあなたが支払う賠償金も少なくなりますので、頼もしい存在ですね！
無過失の場合の事故について
しかし、これはあくまで賠償する義務がある場合です。赤信号で停車中に追突されてしまったような事故の場合、あなたにはどうすることもできない事故ですので、相手から１００％賠償してもらうことになります。
相手が保険に入っていれば、このような事故の時に何も困ることはありません。相手の保険会社の指示通り、病院に通ったり仕事を休んだりして、治療に専念することもできますし、自動車の修理代も出してもらえます。
困ったことに、相手が無保険だった場合はこうはいきません。相手には示談のために間に入ってくれる保険会社もいませんし、こちらも賠償する義務がない以上、保険会社が間に入ることもできません。
保険会社が間に入るということは、ある意味こちらも過失を認めている状態で、保険会社は過失割合を下げることに力を注ぎます。
ですがまるっきりこちらに非がない場合は、保険会社を立てることは自分の過失を認めることになりますので、１００％被害事故の場合は、自分が入っている保険会社は使わないということになります。
被害事故の時に役に立つ補償
あなたに賠償する義務がない場合、相手が無保険だったら大変ですよね。個人が相手に賠償請求をするにも、どのくらい払ってもらうのが妥当なのか普通はわかりませんし、そもそも相手が払ってくれないとなったら、それ以上何もできずに泣き寝入りになってしまうことも考えられます。
被害にあったんだから警察に届ければいいじゃない！と思われるかもしれませんが、警察は「民事不介入」といって個人間の紛争には関わるべきでないとされていますので、事故を起こした人が逃げた時などは捕まえてはくれますが、賠償などの問題は個人で解決しなければなりません。
そんな時に使えるのが弁護士費用特約です。この特約は被害事故にあって、自動車に損害があった場合や、ケガをしてしまった場合に使えます。
あなたの代わりに弁護士が相手に被害の請求をしてくれますし、妥当な金額を計算してくれます。また、あなたの代わりに相手と交渉してくれるので、時間を取られることもないですし、面倒な思いをすることがないので楽ですよね。
ですので、自動車保険には被害事故にあってしまった時のために、弁護士費用特約を付けておくことをおすすめします。
被害者保護のための公的な保険
自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）とは、公道を走るすべての自動車に、国が入ることを義務付けている保険です。自賠責保険は被害にあってしまった人を守るために作られた保険で、ケガをした場合は１２０万円、死亡した場合は３０００万円、後遺障害が残った場合は４０００万円までが補償されます。
軽いケガであれば自賠責でも十分に対応できますが、人が死亡してしまうような重大な事故の場合、自賠責保険では到底まかなえるものではありません。
一般的な賠償額として、３５歳で扶養者がいる人を死亡させてしまった場合は８０００万円、重度後遺障害の場合は１億４０００万円です。そんな金額払えませんよね？
任意保険の対人賠償が無制限であれば、そういう場合にも対応できますので、金銭的には十分賠償できます。
相手が逃げてしまった場合
当て逃げをされて犯人が見つからない場合、本当に困りますよね。自動車を修理しなければならなかったり、ケガをしてしまった場合であれば病院に行ったりもしますよね。
自動車を修理するために自分が入っている保険を使った場合、等級が下がって保険料が上がりますが、ケガの治療費で人身傷害保険のみを使った場合は、保険料に影響はありません。ケガを治療することだけは何の気兼ねもなく自分の保険を使えるということです！自分のケガに備える意味でも、任意保険は役立ちます。
自動車に乗っている以上、事故にあうリスクは避けられません。事故の相手が保険に入っていないかもしれませんし、事故の相手が逃げてしまうかもしれません。そんなことも十分にあり得ます。自分の身は自分で守るという意識で、ご自身で自動車保険を備えておきましょう。
