胃の中のものを吐き出したい感覚が吐き気(嘔気)ですが、吐きたいと思うことや吐く行為は脳の嘔吐反射中枢が刺激を受けることでおこります。
状態が軽ければ吐き気という症状ですが、強くなれば嘔吐することになります。
嘔吐中枢が刺激を受けると腸への出口が閉ざされてしまうため、食道の入り口が緩んで逆流を起こします。
胃だけ逆流させることは不可能で、横隔膜や筋肉を使って吐く行為を行います。
吐き気の原因
例えばお酒を飲み過ぎたり、食べ過ぎたり、乗り物に酔った時に吐き気を感じます。
他にも風邪を引いたり食中毒を起こした場合などがあげられますし、意外に多いのがストレスなどの心因性の吐き気です。
ストレスによる心吐き気
職場や学校での人間関係やトラウマなど、過度にストレスを感じると防御反応が働いて吐き気をもよおすことがあります。
吐き気はストレスで胃の中の腹圧が高くなってしまい胃から圧力がかかって内容物が逆流してしまうことで起こります。
またストレスが原因で胃酸過多になることも考えられますし、消化機能が悪くなってしまうことでも吐き気に繋がっていると言えるでしょう。
ストレスによる吐き気は心因性嘔気や神経性嘔気と呼ばれ、医療機関を受診して検査を行ったとしても特別に異常が見つからないといった特徴があります。
心因性嘔気症
心理的なストレスが原因のため、体自体に吐き気の原因になる異常がないという状態が心因性嘔気症です。
過度に不安や緊張を感じた場合に吐き気が起こることが多いのですが、目に見える異常がないからか心理的なストレスを自覚していないという場合もあります。
さらに吐き気を感じることに恐怖心を感じるようになると、緊張してしまう場面を想像するだけで吐き気をもよおすといった症状が出てしまいます。
心因性嘔気症の治療法は?
症状がひどく本人が苦痛を感じている場合には、鎮吐剤や抗不安薬といった薬物療法を実施することもあります。
ストレスには心理療法も有効で、カウンセリングを行ったり遊戯療法や箱庭療法、行動療法などが実施され、改善が見られないのであれば精神疾患や発達障害を考慮することになるでしょう。
ストレス解消が大切
このようにストレスでの吐き気の原因は自律神経が関係していると言えるでしょう。
吐き気だけでなく、頭痛や腹痛、めまいなどが併発する場合もあります。
症状がひどくなると生活に支障をきたすことになりますので、吐き気の原因となっているストレスを解消していくことが大切です。
気分がリフレッシュできるような趣味の活動を日常生活の中に取り入れたり、軽い運動をして汗をかくことで気分転換ができますのでストレスを溜めこまないように工夫してみましょう。