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【自動車保険】対人賠償と対物賠償ってなに?

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「対人賠償」と「対物賠償」という言葉はあまり耳馴染みのある言葉ではないと思いますが、一番よく聞くのは自動車保険のテレビコマーシャルでやっている「対人・対物無制限!」という言葉ではないでしょうか。

自動車保険における対人賠償と対物賠償とは一体どういうものでしょうか。

対人賠償とは

対人賠償とは読んで字のごとく、人に対する賠償のことです。自動車事故において人に対する賠償とは、「他人を死傷させてしまった」という状況で発生します。

自分が運転する自動車のせいで他人にケガをさせてしまったり、場合によっては死亡させてしまったりするのですから、これは賠償しないといけないですよね。

ここでいう対人賠償とは、自動車が歩行者をひいてしまったとか、自分の自動車が他の自動車に追突して相手車に同乗していた人がむち打ちになったというような事故による他者のケガもあります。

タクシーやバスなど、乗っている人の安全を守らなければならない乗り物で、運転者が急ブレーキを踏んだことによって乗っていた人がケガをしてしまった場合などでは、運転者(企業)から乗っていた人(乗客)に対する対人賠償になる場合もあります。


商用ではなく、自分が運転する車に乗っていた人がケガをしてしまった時は、対人賠償ではなく人身傷害の補償を使うことが一般的です。

人身傷害補償とは、自動車にまつわる事故でこうむった損害(ケガ)に対して補償しますが、通院や入院日の実費に加えて、病院までの交通費や、手術した場合であれば手術の費用、それに加えて精神的慰謝料として通院や入院した日数に応じて上乗せで保険金を支払う仕組みになっています。

対人賠償を使うと自動車の等級が3等級下がりますが、人身傷害補償だけの使用であれば、等級に影響はありません。保険を使って保険料が高くなるのはイヤですよね?

ですので、自分の自動車に同乗していた人のケガなどは、ほとんどが対人賠償ではなく人身傷害補償を使うことになります。

被害者の味方!?自賠責の存在

公道を走る自動車に加入を義務付けられている国が定めた強制保険がありますね。これが「自賠責保険」というものです。正しくは「自動車損害賠償責任保険」といい、自動車事故により他人にケガをさせてしまった場合に、被害者を保護するために作られた制度です。


民法では、損害賠償を請求する場合、加害者に過失があったことを被害者が立証しなければならないと定められています。民法では被害者がきちんと加害者側の過失を立証しなければ、賠償してもらえない仕組みなのですね。

一方、自賠責保険における自賠法では、加害者に過失があったことを被害者が立証する必要はありません。

ですから、自動車事故によってケガをした場合、運転した人に責任があるとして(運行供用者責任といいます)、実質的にはケガをした人が無過失として被害者救済をしています。

自賠責の補償額

自賠責保険では、ケガであれば120万円まで、死亡した場合は3000万円、重度な後遺障害が残った場合には4000万円を上限とした保険金が支払われます。

自賠責保険は被害者救済の目的で作られた保険ですので自分のケガには使えませんが、自分がケガをさせてしまった相手の治療費などが120万円を超えなかった場合は、自賠内解決として対人賠償を使わず、等級に影響はありません。

 

ここでいう「相手」は自分が運転していた自動車に同乗していた人も含みます
運転者本人のケガに対して自分の自賠責保険は使えませんが、同乗者には使えます。自動車同士の事故の場合は、お互いが事故の相手が入っている自賠責に請求することになります。

ただし、この自賠責保険で定められた保険金額の上限を超えて支払った場合は対人賠償を使うことになります。
任意の自動車保険に入っていれば保険会社があなたの代わりに被害者に治療費等を支払い、立て替えた治療費等の費用を自賠責保険に請求する手続きをしてくれるので安心ですね。

 

対物賠償とは

対物賠償は自動車事故で物にぶつかってしまった時の、相手への賠償です。対物賠償の場合、対人と違って任意保険しかありませんので、保険としてはシンプルですが、支払い方が少し複雑な場合があります。

自分の自動車が人の家の壁にぶつかってしまったとか、自動車と歩行者の事故で、歩行者が転んでしまい服が破けたとか、そのような一方的に自分が悪い事故であれば損害を100%賠償します。

自動車と自動車の事故の場合、追突をしてしまった等の加害事故であれば相手車の修理費を100%賠償します。

ですが、動いている自動車同士の事故であれば、どちらがどのくらい悪いかという「過失割合」によって賠償額の割合が決まります。

この過失割合とは、過去に起こった自動車事故をもとに、事故によってだいたい決められています。それを状況などによって修正していくことになります。

例えば、こちらが6割悪い事故の場合でご説明します。
相手の損害額(相手の自動車の修理費用)がわかりやすく100万円だった場合、6割悪いので60万円を賠償することになります。

そして、自分の損害額(自分の自動車の修理費用)がこちらもわかりやすく100万円だった場合、相手が4割悪いので40万円を賠償されます。こちらの賠償額が60万円なので相殺して、60万円-40万円で相手に20万円の賠償をすることになります。

 

対人賠償・対物賠償は無制限がおすすめ

対人賠償、対物賠償の説明は以上ですが、ご理解いただけたでしょうか?

自動車保険をかける時は対人賠償、対物賠償は無制限がおすすめですが、最近は無保険の方も増えているようです。自動車事故で人を死なせてしまったら賠償額が1億円ということもあります。

自賠責からは3000万円までしか出ませんので、大変な額の賠償金を背負うことになります。
自動車に乗る以上は常に事故の可能性を視野に入れて、任意保険はぜひ加入しておいてくださいね。

 

 

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