医療保険では、三大疾病になった場合は入院日数が無制限になるとか、病気を発症したらそれ以降の保険料は払わなくて済むとか、三大疾病に手厚い保障を得られるものが多いですよね。
保険には入っているけれど、実際にどんな病気になったら保険が使えるのかわからない!というのでは、意味がないですよね?
この三大疾病とは一体どんな病気のことでしょうか。今回はそれについて見て行きましょう。
三大疾病とは何か
まず、そもそも三大疾病とは何か?という疑問がわいてきますが、三大疾病とはズバリ、脳血管疾患、悪性新生物、心疾患の3つです。
平成26年の厚生労働省のデータによると、実は日本人の5割以上の人が、三大疾病で亡くなっています。
日本人の半分以上の死因である3つの病気のことを、「三大疾病」として手厚く保障したり備えたりするのもうなずけますよね。ここでは、三大疾病についての基礎的なことを学び、どう備えたらいいのかを考えてみましょう。
- 脳血管疾患
脳血管疾患とは、脳の血管に何らかの障害が起こって発症する病気で、脳卒中と呼ばれるものです。
脳卒中はおおむね2種類で、脳の血管が狭窄し(狭くなること)、脳の血管が詰まって起こる脳梗塞や、一過性脳虚血発作などの「虚血性脳卒中」と、脳の血管が破れておこる脳出血やクモ膜下出血などの「出血性脳出血」にわけられます。
脳血管疾患では、コレステロールが高くて血管が詰まってしまったり、薄くなった血管の壁が高血圧によって破れてしまったりするのですね。
以前の日本人は塩分の摂取が多かったため、高血圧から起こる脳内出血が多かったようですが、現在では高血圧の人が薬を飲むようになったため脳内出血になる方が減りましたが、食生活が欧米化したことで、脳梗塞になる方が増えたようです。
- 悪性新生物
悪性新生物と聞くと、「?」 な方も多いかもしれませんが、悪性新生物とは「がん」のことです。がんと聞けばピンとくる方も多いと思いますが、三大疾病の中で一番有名かもしれませんね。
この悪性新生物にかかるのは、日本人の二人に一人だと言われていますが、実際は一生のうちにがんになる確率が、男性は62%程度、女性では46%程度となっています。日本人の二分の一ががんになるというのは本当のことなのですね。
自分には関係ないと思われるかもしれませんが、20歳から64歳の働き盛りの方でがんになる人は、毎年20万人ほどいるそうです。
がんは決して特別な病気ではなく、誰にでもなりえる病気ですし、だからこそいざという時に備える必要があるのですね。
- 心疾患
心疾患とは、心臓に起こる病気の総称で、具体的には狭心症、心筋梗塞などが有名ですね。
狭心症とは血管が狭くなって血流が悪くなり、胸の痛みや息切れ、呼吸困難などが起こる病気です。
心筋梗塞とは、心臓につながっている血管が詰まったり閉塞したりしたことで血液が心臓に行き渡らずに起こる病気です。
三大疾病ではどのくらい入院する?
三大疾病になった時に一番気になるのは、どのくらい入院することになるの?ということかと思います。
平成26年の厚生労働省が発表した患者調査によると、三大疾病による入院日数の平均は、脳血管疾患が第1位で89.5日、続いて心疾患が20.3日、間を空けずに悪性新生物が19.9日となっています。
なんとなくがんが一番有名だから、入院日数も長くなるんじゃないかと思いがちですが、三大疾病の中で平均すると入院日数が一番短いのががんなのですね。
しかし共通して言えることは、どの病気も入院日数は人によって様々で、平均日数通りではないということです。
どの病気も数日で退院してしまう人もいれば、1年以上も入院するケースもあります。平均するとこの日数になりますが、三大疾病になった場合に必ずしも平均的な入院日数で退院できるという保証はありません。
一般的な医療保険の入院日数は60日や120日など制限がありますが、この三大疾病になった場合は無制限で保障されるというのは、1年以上にわたって治療をする可能性のある三大疾病において、非常に心強い保障ですね。
なぜなら入院している間は医療費の他にいろいろな費用がかかるからです。
入院中にかかる自己負担額は平均すると2万1千円で、7割以上の人が1日にかかる自己負担額が1万円を超えます。
ということは、入院日数かける1万円以上が自己負担としてかかる可能性があるということを頭に入れておかねばなりません。
長期の入院による収入の低下
健康保険に入っている人が病気やケガで4日以上仕事ができない状態になった場合、休業を始めて4日目から傷病手当として給料の6割程度が支給されますが、休んでいる間の給料は出ませんので、収入は減ってしまいますよね。
また、退院後働ける状態になっても、大きな病気で何十日も入院していたら、退院したからって次の日からフルで働ける状態になるかといったら、それも難しそうですよね。
そんな時に役に立つのが所得補償などの保険です。
生命保険では家計保障とか、収入保障といった名前で売られています。
この保険では、病気やケガなど所定の状態になり就業不能になってしまった場合に、一時金として保険金が支払われたり、給料のように毎月決められた額が支払われたりなど、働けなくなってしまった時に心強い保険です。
大きな病気で働けなくなってしまっても、そんな備えがあれば安心ですね。
生活習慣病は誰でもなりえる病気
三大疾病は三大生活習慣病とも呼ばれます。
誰にでも可能性はあるため絶対に病気にならないことは難しいですが、普段の生活で少し気を付けるだけで病気になる確率を下げることはできます。
- 野菜中心のバランスのよい食事をとる
- 適度に運動をする
- 喫煙はしない
- アルコールは控えめに
- 睡眠をよくとる
どうでしょう。おそらく健康診断などを受けた時に書いてある一般的なことのようですが、少しの努力で病気になるリスクが減らせますので、ぜひ心がけてみてくださいね!