火災保険や自動車保険に入っている人は、自分で保険に入っていることを自覚している人がほとんどだと思いますが、個人賠償責任保険に入っていますか?と聞かれたら、あなたは即答できますか?
個人賠償責任保険は、何かしらの損害保険(火災や自動車など)に入っている人はたいてい入っていると思いますが、もし入っていなかったら・・・?
自転車で人をひいて死亡させてしまい、損害賠償が何千万円なんてニュースを見たことがある人も多いと思いますが、個人賠償責任保険はそのような時に役に立つ保険です。
どんな時に使えるのかを確認し、万が一の時のために備えておきましょう!
個人賠償責任保険とはどんな保険か?
文字で見るとよくわかりますが、この保険は「個人が法律的に賠償する責任を負った時」に使える保険です。では法律的に賠償責任を負うというのはどういうことでしょう?
法律的に賠償責任を負うのは、他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりした場合です。
わざとではなくても、人にぶつかってその人が転んでしまったり、持っていた物が壊れてしまったりした場合、大人であればごめんなさいだけではすみませんよね?この保険は、偶然に起きたそのような事故に対応できる保険です。
個人賠償責任保険が使える事故と、事故相手
この保険は他人にケガをさせてしまったり物を壊してしまったりした場合に使える保険と言いましたが、そういう状況の時には絶対に保険が使えるかというと、そういうわけではありません。保険は偶然な事故で起こった損害を補てんするものですので、事故は偶然でなければなりません。
つまり、意図的に相手を傷つけようとした場合(ケンカなど)や、わざと他人の物を壊した場合など、故意に起こした事故の場合は保険を使うことができません。
保険は万が一の時のためのものなので、故意に事故を起こした場合は自己責任(免責)になるのです。また、十分に予測できる状況にもかかわらず事故が起きてしまった場合は、本人に重大な過失があるとして自己責任になる場合もあります。
偶然な事故であっても自然災害による事故は、ほとんどが対象外になります。
例えば大雪が降って、自分の家の屋根から大量の雪が隣の家の敷地に落ちて、隣人の自動車を凹ませてしまったとします。こういう場合、一見、偶然他人の物に損害を与えた事故のように思えますが、大雪が降ったことやその雪が隣の家に落ちたことは自然災害によるものなので、法律的には損害賠償義務が生じません。そういう場合はお気の毒ですが、隣の人は自分の保険でなんとかするしかありません。
また、事故の相手は他人でなければ対象にはなりません。同居の家族が他の家族にケガをさせても、物を壊してしまっても、賠償とはならず保険が使えませんのでご注意ください。
事故の具体例
では実際、私たちの生活において身近に起きそうな事故の例をあげてみましょう。
- 自転車で人にぶつかり、死傷させてしまった。
- 店の駐車場でショッピングカートを他人の車にぶつけて傷をつけてしまった。
- 旅行先のおみやげ屋さんで、ガラス製品を落として壊してしまった。
- 共同住宅でお風呂の水を出しっぱなしにして、階下に水漏れをしてしまった。
どうでしょう?
個人賠償責任保険はこのような事故の時に対応できるのですが、③のようにお店の物を壊してしまっても数千円~数万円で済むかもしれませんが、②や④の場合、数十万~数百万円単位の賠償金を負う可能性もあります。
一番大変なのは①の場合で、相手が亡くなってしまった場合、数千万円以上の賠償金を負うことになります。そうなったら大変ですよね?
まとめ
個人賠償責任保険は、個人の場合はその保険のみでは入ることはできませんが、火災保険や自動車保険、傷害保険などの、他の損害保険に特約として付けることができます。
国内であれば賠償する金額の上限もなく、無制限で賠償できるというすばらしい補償内容でありながら、保険料は月に数百円(200円以下である場合が多い)で入ることができます。
自転車に乗ることもないし・・・という理由で入ってない方もいらっしゃるかもしれませんが、いつどこで賠償責任を負うことになるかわかりません。
月に数百円の負担で万が一の時に大きい補償が得られますので、今一度ご自身の保険に個人賠償責任保険がついているかを確認していただき、もし入っていないようでしたら、ぜひ加入をおすすめします!
入っているかどうかわからないけど、多分入っているだろう。そんな風に考えていて、もし入っていなかったら大変!まずは、自分が個人賠償責任保険に入っているか、しっかりと保険会社に聞きましょう!