契約者が死亡した場合
自動車保険の契約者が死亡した場合には、自動車保険も相続の対象になりますので、引き継ぐ事が出来ます。まず、契約者の変更が必要になります。契約者とは契約の申し込みをして主に保険料を支払う人のことです。この保険を相続できるのは、「法定相続人」となります。
契約者の変更は、保険会社に連絡し、名義変更するだけなので、大変な手続きではありません。
記名被保険者の変更をしても等級は引き継げる
保険には、契約者と被保険者があります。
契約者=契約の主体となる人 被保険者=保険の補償対象となる人 |
自動車保険の場合には、保険をかけている車を主に運転する人が、被保険者となります。事故を起こした時に、保険の適用事故であれば、保険金が支払われる人が被保険者です。自動車保険の場合には、『記名被保険者』という言い方をします。
自動車保険では、記名被保険者を中心として家族の複数人が補償対象になるからです。亡くなった方が、契約者と記名被保険者が同一人物の時は、契約者とともに記名被保険者の変更も必要になります。
そして、家族であれば記名被保険者の『等級を引き継ぐ』事ができます。ここでいう家族とは、以下の通りです。
・ 死亡した方の配偶者 ・ 死亡した方の同居の親族 ・ 死亡した方の配偶者の同居の親族 |
仮に親が亡くなったとして、同居している子は等級を引き継ぐ事ができますが、別居している子は未婚、既婚に関わらず等級を引き継ぐ事はできません。
記名被保険者がかわると被保険者も変わる?
記名被保険者がかわると、被保険者も変わってしまうことがあるので注意が必要です。家族として保険の補償対象となるのは、配偶者と同居の親族、配偶者の同居の親族、別居している未婚の子です。
例えば、父母と同居している娘、別居している未婚の息子の4人の家族で考えてみましょう。契約者で記名被保険者である父が亡くなったとします。今までは、4人全員が父の保険の補償の範囲でしたが、仮に娘が自動車保険を相続し、記名被保険者も娘になると、別居している息子は保険の補償範囲から出てしまう事になります。(別居している子ではなく、弟になるので)
しかし、母が記名被保険者になれば、別居している息子も、補償の範囲になるのです。
年齢条件と特約に注意
記名被保険者を引き継いだ際に、年齢条件や夫婦限定特約がないか注意しましょう。
35才以上補償の限定のついた保険では、30歳の子が引き継いでも保険の対象者になりませんので、条件変更をしなければなりません。
また、夫婦特約のついた保険を父が亡くなり子が引き継ぐと、子ども夫婦に夫婦特約がうつってしまいます。今まで補償範囲だった母が外れてしまいます。記名被保険者を変更する際には、補償される範囲によく注意しなければなりません。