
「ある日突然、一家の大黒柱が亡くなったら生活はどうなるの?」「もし病気やケガで働けなくなったらどうしよう?」と考えたことはありませんか?
ご家族の死や突然の病気による生活環境の変化は、心に大きな負担となります。しかし、そんな状況下でも生活費は日々必要となってくるのです。
「収入がない」「働けない」と収入が途絶えた時、今後の生活費はどこから捻出すれば良いのでしょう?
入院費や治療費もかかるため、貯金を当てにして生活するのは不安ですよね。
そんな収入が減少した際のリスクに備える保険を「収入保障保険」と言います。
一体どんな保険なのでしょうか?
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そもそも収入を保障するための保険ではない
収入保障保険とは、万が一のこと(死亡や高度障害)があった場合に死亡保険金を支払う定期保険です。定まった期間を保障するので、契約時に設定した保険期間を過ぎると保障も無くなります。俗に掛け捨てと呼ばれる保険ですね。保険会社によっては、家計保障保険なんて言い方もします。
そして、テレビやパンフレットで「お給料のように毎月受け取れる!」という謳い文句を目にしたことはありませんか?この文字通り、死亡保険金を毎月お給料のように定額で受け取ることが出来ます。
そんな収入保障保険ですが、この保険、就業していない専業主婦の方でも加入できることをご存知ですか?
「え?お給料の代わりに受け取るから仕事をしていなければ入れないのでは?」と思う方も居るかもしれませんね。しかし、就業していなくても加入することは出来ます。
そもそも、なぜ一般的な定期保険があるのに収入保障保険が存在するのか。そこからご説明しましょう。
必要な保障額はずっと一定ではない
一般的な定期保険を思い浮かべて下さい。
箱型と言われる定期保険ですが、図のように仮に30年間で加入した場合、保険期間中の保険金は一定して同じ金額です。
それに対し、収入保障保険は保険金額が直角三角形になっています。これは、必要な保障額は月日が経つにつれて少なくなっていくという考えに基づいています。
これは、どういうことなのでしょうか?
例えば、お子様の学費を思い浮かべてみて下さい。
もし、お子様が小学生の時に一家の大黒柱に万が一のことがあった場合、今後は中学、高校、大学進学の学費を工面しなくてはなりません。私立校に進学することになったとしたらその金額は膨大ですよね。
では、お子様が大学生の時に万が一のことがあった場合どうでしょうか。今後、学費として必要なのは残りの大学の教育費だけです。大学生ですので、アルバイトなどで少し学費を稼ぐことが出来るかもしれませんね。
お子様が独立した後は、さらに必要額は低くなります。
このように、ご遺族を支えるために必要な保障額は、年々減っていく傾向があるんですね。
この考えを上手く取り入れたものが収入保障保険です。
年々死亡保険金額が減っていく代わりに、毎月の保険料は一般的な定期保険よりも割安になっています。
同じ掛け捨てならば、こちらの方が合理的に感じますよね。
名前としては「収入保障」と付いていますが、中身は形を変えた定期保険なので、専業主婦の方でも加入できるというわけです。
メリット◎
毎月に分けて死亡保険金を受け取れる
収入保障保険では、死亡保険金を毎月一定額を継続的に受け取る設定が出来ます。
毎月の給付額は契約時に設定することができ、その金額によって契約者が支払う保険料も変わってきます。
「子供が社会人になるまで保障を持ちたい」
「定期保険よりも手頃な保険料で、無駄なく保険に加入したい」
という方には、収入保障保険は良い選択肢の一つかもしれません。
毎月受け取れるこの仕組みは、60歳から受け取る場合であれば年金の代わりとしても応用出来ます。
お子様が巣立った後も、ご遺族を支えることが出来ますね。
保険料が割安
一般的な定期保険に比べて、支払う保険料は1/3~1/4ほどと割安です。
例としてある保険会社で下記の条件で試算してみました。
30歳男性 保険期間/払込期間60歳まで 保険金額5400万
月々の保険料は、
・定期保険・・・20,412円
・収入保障保険・・・5,145円(最低保証期間5年、保険料免除特則無し)
と約1/4になりました。
ただし、定期保険は保険期間中は保険金額が一定の5400万円なのに対し、収入保障保険は契約時は5400万円ですが、保障が終了する60歳時には保険金額は900万円ほどになります。
保険会社が準備しなくてはならない金額が収入保障保険の方が少額なので、その分保険料も抑えられているのです。
最低保証期間がある
収入保障保険には、保険金を受け取れる「最低保証期間」というものが設けられています。これは、被保険者が保険期間終了間際に亡くなった場合に、契約時に設定した年数分の死亡保険金の受取りを保証するものです。1年、2年、5年など保険会社によって選べる期間は異なります。
万が一の保障の幅が広い
死亡・高度障害の他に、最近では5疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中・肝硬変・慢性腎不全)で働けなくなったり、所定の介護状態になった場合にも給付金を受け取れる商品も出ています。
より身近なリスクに備えることが出来るので、安心出来ますね。
デメリット△
保障金額が一定ではない
何回も述べていますが、収入保障保険の保険金額は年月とともに減っていく直角三角形です。年月が経過すると共に、保障金額は減っていくので、長い年月変わらない保障が欲しいという方には適していません。
収入保障だけでは備えが頼りない
収入保障保険はその時に必要な保障額を提供するので、保障が薄い期間が出てきます。
貯蓄やもっと手厚い保障を求める場合は、収入保障保険にプラスして他の保険で補いましょう。
まとめ
一般的な定期保険に比べ保険料が安く抑えられ、尚且つご家族の生活を支えることができる収入保障保険は、特に子育て世代の方に適した保険です。
保障の薄い期間などデメリットもあるので、他の保険も組み合わせるなど総合的に判断しプラン設計をしていきましょう。
5疾病の特約などを付加することで、より身近なリスクへの備えとなります。
日常の「生活費」にスポットを当てたこの保険で、あなたの大切なご家族の未来を守ることが出来るかもしれません。