日本人の死因原因は悪性新生物、一般的にがんと言われるものです。
がん治療というと、どうしても全体的に高額な費用がかかるというイメージがあるでしょうが、実際に抗がん剤治療はどのくらいの費用がかかるのか、そして費用を軽減するにはどうすれば良いかを検討していきましょう。
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抗がん剤治療の種類
抗がん剤による治療法は大きく3種類に分けることができます。
・化学療法
化学物質でがんの増殖を抑えてがん細胞を破壊する治療方法です。
副作用が現れることもあるため、近年では副作用を抑える薬などで負担を軽減することができるようになりました。
・分子標的治療
がん細胞のみを標的にする分子標的薬を用いた治療方法で、副作用が少ないという特徴があります。
・ホルモン療法(内分泌法)
がん細胞の増殖に関係する体内ホルモンを調節しがん細胞の増殖を抑える働きをするホルモン剤を用いて行う治療法です。
抗がん剤治療のサイクル
抗がん剤治療は多くの場合1日または数日投与を行い、休薬期間を置いた後に再度投与を開始するといったサイクルで行われます。
この投与期間と休薬期間を合わせた期間をクールといいますが、何クール実施するかは人それぞれです。
休薬期間を設けることによって、薬で損傷を受けた体内の正常細胞と体力を回復させることができます。
最近では支持療法が進歩したことにより1クール目は入院、2クール目以降は外来で抗がん剤治療を行うという場合や、最初から入院せずに外来で抗がん剤治療を行うことが増えています。
抗がん剤治療でかかる費用
抗がん剤治療にかかる費用はいくらくらいになるのかについては、抗がん剤は飲み薬、点滴、注射などどの方法を行うかによっても違います。
飲み薬だと1錠何千円という費用が発生し、点滴をすれば何万円という費用がかかる場合もあります。
胃がん治療の抗がん剤の場合
例えば胃がんや直腸がん、結腸がんなどの抗がん剤として有効性や利便性を認められており、広く使用されているものにTS-1(ティーエスワン)があります。
TS-1は錠剤の抗がん剤で、胃がんの場合には1日2回分2週間飲み続け、その後2週間休薬期間を設けて1クールとします。
何クール繰り返すかにもよりますが1クールだけでも11万円以上の薬剤費がかかり、さらには診療費や処方箋、血液や画像の検査費用も必要になります。
抗がん剤の種類や量によって費用は変動する
基本的に抗がん剤治療は健康保険適用になっていますが、日本国内未承認の治療薬を使った場合に保険適用外になります。
例えばアメリカで承認が行われているイピリムマブは日本では未承認薬の抗がん剤に該当するため、10mlあたり約85万円かかります。
また、抗がん剤の治療費は例え同じ薬剤を使用していたとしても、体の大きさやがんの進行状況に比例して抗がん剤の量も多くなるため患者によって金額が異なる場合もあります。
抗がん剤治療を軽減するために
高額な治療費が必要となる場合もある抗がん剤治療ですが、がん保険など上手く活用することでいざという時に自己負担分を軽減することができます。
がん保険も種類が多いため、各保険会社がどのような保障を準備しているか確認するようにしましょう。