家を買う時、借りる時、ついてまわるのが火災保険ですね。火災保険をかける金額をどのくらいにするかを決める時、その建物や家財に一体どのくらいの価値があるか?ということで変わります。
ではその建物や家財の価値はどうやって決めると思いますか?例えば1000万円で買った家に、2000万円の保険をかけることなんてできるのでしょうか?
保険金額を設定する根拠とは
1000万円で買った家に、2000万円の火災保険をかけることができるか?その答えは、イエスの場合もありますし、ノーの場合もあります。
例えば知り合いや親戚から、安く家を売ってもらえた場合。その建物が本来2000万円の価値があるのであれば、2000万円の保険をかけることができます。ですが、相場に基づいて1000万円の価値の建物を1000万円で買い取った場合は、基本的に1000万円の保険をかけることになります。
建物の価値は、建物の広さや構造、築年数によって変わってきます。火災保険ではいくつか計算方法があります。建物の広さ×新築費の単価、もしくは、建物の建築費用×建物が建ってからの年数に対する価格変動率で決められます。
この新築費の単価や価格変動率は保険会社が決めています。同じ建物を建てた時にかかる費用を、広さ、もしくは建てた年によって決めるということになります。
家財の価値は市場価格で変わりますが、その家が所有なのか賃貸か、住んでいる人数が何人なのかが目安になります。下記はある程度の目安です。
- 独身の方の場合 所有:570万円 賃貸:340万円
- 夫婦のみの場合 所有:940万円 賃貸:630万円
- 夫婦+子供1人 所有:1190万円 賃貸:880万円
- 夫婦+子供2人 所有:1550万円 賃貸:1390万円
- 夫婦+子供2人で、なおかつ専有面積が132㎡以上の場合
所有:1890万円 賃貸:1390万円
そんなに家財なんて持ってない!と思われるかもしれませんが、家財の半分ほどを占めているのが、なんと衣類です。冷蔵庫や洗濯機などの家具は、大きさによって価格差はあるかもしれませんが、どの家にもだいたい1台ですよね。
しかし、人数が多ければ多いほど、持っている衣類も多くなりますので、それによって家財の金額が変わってきます。
物の価値はだんだん下がっていく!?
車や家など、購入する時と売る時では、金額が違いますよね?例えば、購入した時は3000万円だった家も、売る時には1000万円にしかならない!なんてこともあると思います。
物はその物ができてから、たった年数によって、だんだんと価値が下がっていきます。3000万円で新築の家を買った時、その3000万円の金額のことを「新価(しんか)」といい、1000万円で売る時の金額のことを「時価(じか)」といいます。この新価と時価という考え方は保険金を支払う時に重要になってきます。
例えば3000万円で買った家が燃えてしまった時、もう一度同じ家を建てるために3000万円かかるとします。かけている保険金額が3000万円で、保険金の支払い方が「新価払い」であれば、その家が築何十年の古い家だとしても、3000万円が支払われます。
ところが、保険金の支払い方が「時価払い」であった場合は大変です。時価とは古くなった家の現在の価値はどのくらいあるかと考えますので、あなたの家は古いから1000万円の価値しかないよと判断されれば、1000万円しか支払われないのです!!
もう一度家を建てるのに3000万円かかるのであれば、残りの2000万円は自分でまかなわなければなりません。せっかく保険をかけていても、これではあまり意味がありませんよね!?
古い保険はご注意!「時価払い」の可能性あり
最近の保険であれば大丈夫だと思いますが、家を建てた時に入った35年ローンで35年間の保険で、昔から入っている・・・なんて時は危ないかもしれません。
保険は実際、「時価」によって支払われるものもあります。自分が入っている保険が、「新価払い」なのか、「時価払い」なのか、万が一の時にその差は大きいので、入っている保険屋さんで聞いてみてくださいね!!
・・・もしあなたが入っている保険が「時価払い」なのに、「新価払い」になる保険を今まで勧めてもらえてなかったとしたら、その代理店さんは不親切かもしれません。あなたが万が一の時に守れない保険に入っていることを見過ごしていたのですからね。
まとめ
火災保険では、建物や家財など、保険をかける物の価値を正しく評価し、その物の価値に基づいて保険をかける金額を設定する必要があります。
もしその物の価値より低い金額で保険をかけた場合、事故が起きた時に十分な保険金が下りない可能性があります。逆に、その物の価値を超えた保険をかけていた場合、その物の価値を超えた部分に対しては保険金が支払われませんので、かけていた保険がムダになってしまうということになります。
ですので、保険をかける時には、きちんとその保険金額をその物の価値に見合う金額に設定しましょう。