もっと身近に保険の知識を

自動車保険の特約。万が一の時に力になる個人賠償責任保険

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

自転車で人をひいてしまい、賠償金が何千万、何億円・・・そんなニュースを見たことがある方も多いのではないでしょうか。個人賠償責任保険は、そんな時のための保険です。どういう時に使えるのでしょうか。また、どういう時に使えないのでしょうか。

【個人賠償責任保険とは】

この保険は文字通り、「個人が賠償責任を負った場合に支払う保険」です。ですので、賠償する義務がない場合や、勤務中の場合は個人ではなく企業の人間としての賠償になるため、対象外になります。(勤務時間中に起きた賠償事故は、雇用主が入る賠償保険での支払いになります)個人賠償責任保険とは、個人が日常生活の中で、偶然に他人の物に損害を与えてしまった場合や、偶然に他人の身体を傷つけてしまった場合で、法律上の損害賠償責任を負う場合に支払い対象になります。

【個人賠償責任保険を契約するには】

比較的安い保険料ながら、その効果は絶大な個人賠償責任保険ですが、個人でその保険を単体で契約することはできません。火災保険、自動車保険、傷害保険などに特約としてセットして契約することがほとんどです。重複して加入する必要はないですが、月にわずかな保険料でその特約を付けられますので、加入している保険に個人賠償責任保険が付いていない場合は、付けておいた方がいい、というより必須だと思います。

【個人賠償責任保険の免責】

 では実際、どのような時にこの保険を使えるのでしょうか。重要なのは賠償相手が「他人」で、事故が「偶然」であることです。ここでいう「他人」に当たらない人とは、被保険者の同居の親族です。配偶者や子供に怪我をさせてしまった場合、他人に当たりませんので免責(保険金が支払われない)事由に該当します。また、借りたものを破損させてしまった場合も、借りた時点で「管理義務」(借りたものを損壊なく保管する義務)が生じるため、もしそれを壊してしまっても、支払い事由に該当しません。さらに、故意で事故を起こした場合(ケンカなどの闘争行為)や、車両や銃器の所有・使用または管理に起因する賠償、他にも地震・噴火・それに伴う津波による損害等も対象外になりますのでご注意ください。(バイク・自動車等による事故の賠償は、自動車保険の管轄になります)

【自然災害の場合の賠償について】

自然災害による物の破損も免責になります。例えば、自宅の屋根に積もった雪が隣の家のカーポートに落ちて破損させてしまった時、一見、賠償事故として支払いの対象に見えますが、雪が積もったこと、積もった雪が隣のカーポートに落ちたことは被保険者にはどうすることもできない自然災害であるため、被保険者に賠償義務はないということで免責に当たります。こういう場合、カーポートは雪災事故として、隣人が加入している建物の火災保険で支払いの対象になります。ただし、被保険者に非があった場合、例えば屋根の雪止めが破損していてそこから雪が滑り落ちることがわかっていて直さなかった時や、何度も同じ場所から雪が落ちてきて隣人から修理を求められたのに対応しなかった時、要はそこから雪が落ちることがわかっていたにもかかわらず何もしなかった時は、対策をしなかった被保険者の過失になりますので、自然災害であっても対象になる場合もあります。

【保険料が支払われる具体例】

保険金が支払われるのは、以下のような事例です。

  • 排水管等に物を詰まらせて階下に水漏れしてしまった場合(老朽化や普通に使っていた場合の詰まりは、建物所有者の管理責任が問われる場合もあります)
  • 自転車で歩行者にぶつかり怪我をさせてしまった場合
  • ショッピングカートを他人の車にぶつけてしまった場合
  • 飼い犬が他人を噛んでケガをさせてしまった場合(ただし、嚙まれた人に過失がある場合、例えば犬に危害を加えたりして、嚙まれても仕方がないような状況にあった時などは免責になる場合もあります)

ここでご注意いただきたいのが、大家として他人に賃貸している建物内で水漏れ事故が起きてしまった時の賠償です。被保険者の自宅が別の場合、その水漏れ事故が建物管理に起因する事故である時は、「施設賠償責任保険」や「火災保険に付帯できる建物管理に関する特約」等での支払いになります。個人賠償責任保険は被保険者が住んでいない建物の賠償には使えません。ですので、大家として賃貸している建物がある場合は、個人賠償責任保険以外に、建物の管理に関する賠償責任保険に加入しましょう。

【最後に】

個人賠償責任保険は、月にわずかの保険料で国内であれば上限がなく支払えるという補償内容が得られますし、契約者の同居の親族もその補償を受けられます。子が一人暮らしをしている場合など、「別居の未婚の子」も補償の対象に含まれます。(離婚した場合は未婚に当たりません)最近では、一人暮らしをしている認知症の親が起こした賠償事故も、別居の子の個人賠償責任保険が使える保険会社も増えています。ご自身の保険を確認いただき、もしこの個人賠償責任保険が付いていない場合は、いずれかの保険につけておくことを絶対お勧めします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*