ガードレールで車を擦ってしまった、飛び石でガラスにひびが入ったなどの相手がいない事故を自損事故といいます。自損事故をおこした場合に、修理代は保険から出るのでしょうか?『車両保険』に加入していれば、補償されます。
では、車両保険とはなんでしょう。
そもそも、自動車保険(任意保険)は、以下のように大きく3つのグループからなり、7種類の保険に分けられます。この7種類の保険が組み合わされて、保険商品が販売されています。
賠償責任保険 |
対人賠償保険 対物賠償保険 |
相手の人や物に対する保険 |
傷害保険 |
搭乗者傷害保険 人身傷害補償保険 無保険車傷害保険 自損事故保険 |
自分や同乗者のケガに対する保険
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車両保険 |
車両保険 |
自分自身の車に対する保険 |
車両保険 車両保険 自分自身の車に対する保険
自損事故の時に、自分の車の修理代を補償してくれるのが『車両保険』です。
車両保険に加入すると、保険料が高くなりますので、自分の車の補償はいらない、自腹で修理するというのであれば、無理に入る必要はないかもしれません。
<車両保険の補償範囲>
車両保険には一般型とエコノミー型があり、補償範囲と保険料が異なります。
ソニー損保の場合では、以下のようになっていて、エコノミー型の方が補償範囲が限定されている分、保険料も安くなります。単独事故や当て逃げは、エコノミー型では補償されません。ですから、ガードレールに車をぶつけてしまった場合は、エコノミー型では、補償されません。ちなみに、ガードレールや電柱等の修繕費は、対物賠償責任保険に加入していなければ、補償されません。
一般型 |
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・ 電柱に衝突 ・ 自転車との接触 ・ 当て逃げ(相手不明) ・ 転覆・墜落
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<免責金額でも保険料はかわる>
車両保険には、免責金額というものが設定されています。これは、何かというと、事故の際に自己負担する金額の事です。
免責金額(自己負担額) |
1回目の車両事故 |
2回目の車両事故 |
0-10万円 |
0円 |
10万円 |
5-10万円 |
5万円 |
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10-10万円 |
10万円 |
免責金額が、5-10万円というのは、1度目の車両事故は5万円、2回目は免責金額が10万円になるということです。
例えば、免責金額が5-10万円を選択しているとします。修理費が30万円かかる車両事故を起こした場合には、1度目の事故なら
30万円(修理費)―5万円(免責金額)=25万円(保険会社から支払われる額)
100万円の事故の場合には、5万円の免責金額をひいた90万円が支払われます。
2回目の車両事故は、どれを選択しても免責金額は10万円になります。1回目の免責金額が大きいほど保険料は安くなります。
全損の場合には、免責は関係なく全額支払われます。
<車両保険を使うと3等級ダウンする>
自損事故で、車両保険を使うと翌年から3等級ダウンします。3年間は元の等級に戻りません。等級が下がると、保険料が上がってしまいます。
ですので、修理代にいくらかかるのか、等級が下がると保険料がいくらになるかを修理工場や保険会社に問い合わせて、どちらがお得なのかを十分に検討しましょう。