<老後に医療費はいくらかかるのか?>
厚生労働省が発表している平成26年度の国民一人当たりの医療費「国民医療費」を見てみると、
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男性 |
女性 |
65歳未満 |
18万1,400円 |
17万7,900円 |
65歳以上 |
77万4,300円 |
68万6,700円 |
えっ、思った以上にかかる!と思われたかもしれません。
ただし、実際には公的医療保険では自己負担分だけでいいのでそこまではかかりません。自己負担割合は以下の通りです。
年齢 |
負担割合 |
小学校入学前 |
2割 |
上記以外 |
3割 |
70歳〜75歳未満 |
2割、現役並みの所得者は3割 |
75歳以上になると、後期高齢者医療制度により、自己負担は1割になります。
さらには、『高額療養費制度』があり、治療費がいくらになろうとも1ヶ月の自己負担の上限額が決まっています。
このように、公的医療保険により、経済的負担はだいぶ軽減できますね。
でも、先進医療を受ける場合には、公的医療保険の対象になりませんので全額支払う必要があります。
他にも差額ベッド代や食事代、お見舞いの交通費、生活用品などの雑費は公的医療保険の対象外なのでこのあたりの費用を頭に入れておく必要があります。
<入院できない・・・超高齢化社会>
現在、8割以上の人が病院等の医療機関で亡くなっています。これからますます、お年寄りが増えると医療機関では人手も予算も足りなくなります。そうなると、急を要する手術を必要な人が受け入れ困難になる事態になってしまいます。
こうした実情をふまえ、国は超高齢化社会に対応するために、国民一人当たりの入院期間を短くする政策を進めてきました。緊急度や高度な医療は病院が担当し、それ以外は診療所や在宅、介護施設で治療が受けられるような体制を作っています。それぞれの役割を明確にして、地域の連携をとりながら必要な医療が受けられる体制作りです。
抗がん剤治療や放射線治療も通院でもできるようになってきました。現状をふまえると、高齢者の医療は施設や自宅で医療をうけることになるのかもしれません。
<保険金が少なくなる?>
入院日数が短縮されれば影響するのが、医療保険の保険金です。在宅医療や介護施設では入院先と認められていません。入院日数に応じて支払われる医療保険では、受けとれる保険金の額が減ってしまう恐れがあるのです。
その場合は在宅や通院での医療費は貯蓄でまかなう事になります。
公的医療保険が充実しているので、あまりにも高額な医療費を請求される事はありません。しかし、現在、医療費が増大しているなかで、公的医療保険が変更され自己負担が増える事もあるかもしれません。
老後の貯蓄に不安があるのであれば、若いうちに加入した方がいいかもしれません。時代の流れとともに、預貯金の額も含めてこまめに保険を見直す必要があるのではないでしょうか。