日本人の2人に1人ががんになって、3人に1人ががんで死亡していると言われています。
そのため多くの人ががんのリスクを回避するために定期健診やがん保険に加入するなど、がんへの対策に注目しています。
がんはなぜ発生するのか
人体は約60兆個の細胞でできていますが細胞は絶えず分裂を繰り返し新しく生まれ変わります。
細胞分裂は遺伝子を基にしてコピーされて行われますが、発がん物質などが影響して遺伝子が突然変異しコピーの際に生じたミスががんのきっかけとなります。
一般的に健康な人でも1日約5,000個のミスが起こっていると言われていますので、通常であればミスで生まれた細胞は体内の免疫細胞に攻撃されて死滅します。
しかし攻撃を逃れて生き残った細胞が存在するとその細胞ががん細胞になり、異常な分裂や増殖を繰り返してがんになります。
全身のどこにでも発生する可能性
がんが発生する場所は全身のあらゆる場所で、胃、肺、肝臓などの内臓、血液、骨、皮膚などにできる場合もあります。
どの部位のがん罹患が多い?
国立がん研究センター対策情報センターが2012年に提供した「部位別がん罹患率」を参考にどの部位のがん罹患が多いかを確認してみましょう。
男性は40歳以上で胃・大腸・肝臓などの消化器系のがんの罹患が多くを占めていますが、70歳以上になるとその割合が減少して前立腺がんと肺がんの割合が増加します。
女性は40歳代で乳がん・子宮がん・卵巣がんと女性疾病系のがん罹患が多くを占めていますが、高齢になるほどその割合が減少して消化器系のがんと肺がんの割合が増加します。
部位別のがん罹患率
罹患率はある集団で新たに診断されたがんの数をその集団のその期間の人口で割り出した値で、通常は1年単位で算出され、人口10万人のうち何例罹患したかを表現しています。
2012年のがんの罹患率は男性812.5、女性551.7となっており、口腔・咽頭、胃、喉頭、食道、肝臓、肺、膀胱で男性が女性より罹患率が高い傾向です。
甲状腺では女性のほうがが男性より罹患率が高くなっています。
がんは日本人の死因の1位
日本人の死亡した原因の1位はがん、2位は心疾患、3位は肺炎です。
3位までで死亡数の半分以上を占めるほどがんの罹患率は高くなっており、その他の疾患のなかでも最も死亡率が高い病気です。
がんは初期にはほとんど自覚症状がないという特徴があるため、健診などで発見されることが多く発見された時はある程度進行していたというケースもめずらしくありません。
早期に発見して治療を開始することがその後の治療効果や予後に影響するため、罹患率が高い疾患だからこそ早めに発見できるようにする必要があります。
定期健診やがん検診に積極的に参加するようにして健康管理を行うようにしましょう。