みなさんはエンディングノートという言葉を聞いたことがありますか?
エンディングノートとは、自分が病気になった時などに、治療や介護をどうしてほしいか自分の希望を書いたり、遺される人への伝言、連絡してほしい人の連絡先など、自分の万が一の時に備えてあらかじめ用意しておくノートです。
「終活」なんて言葉もあるくらい、自分に万が一のことがあった時にどうしたいかということを決めておく人が増えているようですね。
もしもの時のために伝えておきたいことは、大きく分けて3つあると思いますので、今回はそれについて見ていきましょう。
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【自分の希望】
まずは自分の希望ですね。どうしたいか、どうしてほしいかの希望ですが、ご自身がこだわりたいところだけ伝えておきましょう。
自分の希望と言ってもどういうことを決めておけばいいかピンときませんよね?
自分の希望について、例をあげますので、自分で「これは伝えておきたい!」と思ったことはエンディングノートに書いておいてくださいね。
この場合、家族に言葉で伝えただけでは、忘れられたりあやふやで曖昧になったりすることも考えられますので、しっかり文字に残しておくとより安心ですね。
①治療、介護の方針
重い病気にかかったり、意識不明や脳死状態になってしまったりなど、自分ではどうしようもない状況におちいった時の方針を決めましょう。
できるだけ延命したいのか、告知はあった方がいいのか、痛みがない方がいいのか、病院ではなく家で最後を迎えたいのか等、人によって様々な希望があると思います。家族に迷惑をかけたくないという希望ももちろんあるでしょう。
自分が万が一の時を想像し、こうしてほしいというのを残しておきましょう。
また、自分が意識不明になった時は、自分の身の回りのことや財産の管理などを誰に任せたいかも決めておきましょう。そうすれば家族が困ることも少ないかもしれませんね。
②葬儀関係
これは人によってこだわりが強くある人とない人に別れると思います。家族葬でささやかに行ってほしいとか、どこに散骨してほしいとか、そういう希望があるかもしれませんね。
また、そういう時に連絡してほしい人がいれば、それも残しておいた方がいいですね。
そしてお墓はどこに入りたい等の希望もあればそれも残しておきましょう。
財産等の相続関係
やはり人が亡くなった場合、遺された人に相続する財産について伝えることが必要ですよね。
では財産とは一体どのような種類があるでしょうか。
残すものはプラスのものだけとは限らず、ローンや借金など負債関係もあるかもしれませんね。そのようなお金周りのことを見ていきましょう。
①預貯金、株式等
どの銀行に自分の口座があるか、株式を持っている場合はその銘柄など、自分しか知らないことも多いかもしれませんね。子供に関するお金だけはこの銀行に預けるようにしていたとか、そういう貯蓄以外の口座を含めて、自分が持っている口座の情報とか、株式口座など、知らせる必要があると思います。
②借金関係
負債はなるべく残したくないものではありますが、家や自動車のローンがある場合や、キャッシングで負債がある場合など、遺族としては知っておきたいことでしょう。
返済が遅れることで大変なことになってしまうかもしれませんので、こちらも漏れなく記載しておきましょう。
③保険関係
万が一の時と言ったらやはり保険ですよね。
医療保険、定期保険、終身保険など、万が一の時にどういう保障があるのか、どこに連絡したらいいのかなどを知らせておいてくださいね。
この時、共済や代理店、通販型の保険など、さまざまな種類の保険会社に加入していた場合は、連絡が複雑になり、手続きが漏れてしまう可能性があります。
何かあった時はここに連絡すればすべて大丈夫!というくらいまとめておければ、請求の漏れもなく安心だし、楽ですよね。
④不動産、動産関係
不動産とは動かない財産ですので、土地や建物のことです。動産は動かせる財産ですので、貴金属や骨董品などのことです。
家にあるような貴金属や骨董品などはわかりやすいかもしれませんが、自宅以外の土地や建物のこと、また貸金庫やレンタル倉庫などを借りて物を管理していた場合など、そういうものも忘れず記しておきましょう。
ここで注意なのですが、エンディングノートは遺言書のような効力のあるものではないということです。
相続には優先順位があり、一番は本人の配偶者、続いて子や実の親、その後は実の兄弟姉妹、孫などと続きます。
例えば自分に配偶者がいるのにもかかわらず、配偶者を飛び越えて、お世話になった近所の人に何かを譲りたいとしても、配偶者が異議を申し立てれば譲ることはできません。
もしどうしても価値のあるものを譲りたい人がいる場合は、正式な遺言書を作成することをおすすめします。
遺される人へ伝えたいこと
最後に、遺される人へ伝えたいことですね。これは〇〇してほしいとか、気がかりなこともあるでしょうし、感謝の気持ちや後悔など、心の部分もあるでしょうね。
①利用の停止連絡が必要なもの
気がかりなこととしては、まず利用の停止連絡が必要なものがあります。自分しか知らないものもいろいろあるかもしれませんよね。
例えばクレジットカードであるとか、定期的に購入している化粧品や食品、飲料水、サプリメントなどです。フィットネスクラブやヨガ、お料理教室やフラダンスなど、習い事がある場合も連絡が必要ですね。
こういうものは月会費や年会費など、自動で引き落としがかかってしまう場合がほとんどですので、停止の連絡が必要になります。
購入している物などは自宅に届けばわかるかもしれませんが、習い事のようなものの場合は月会費や年会費がそっと引き落とされていても家族は気づかないかもしれません。
自分しか知らないようなお金関係も、記載しておいた方がよさそうですね。
②自分しか知らないこと
さほど重要なことではないかもしれませんが、人によっては気がかりなものもあると思います。
例えば、お花に水をやってほしいとか、いつもくる猫にエサをやってほしいとか、そういう些細なこともあるかもしれませんね。
ですがこれも人によっては気がかりなことになると思いますので、本当に自分がいなくなった時のことを考えて、気がかりがあれば残しておきましょう。
③伝えたいこと
最期ですので、後悔はしたくないですよね。
遺された人が心安らかに暮らせるように、想いがあるのであれば伝えておきましょう。人によっては感謝の気持ちもあるだろうし、謝りたくても謝れなかった懺悔や後悔などもあるでしょう。
思い残すことがないよう、自分の気持ちを余すところなく記載しておきましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
大きくわけると3つといいましたが、細かく見ていくと様々なことがありそうですね。難しく考えず、自分に万が一の時に家族が困らない程度に、自分だけが知っていることがないよう記録を残しておくことが大切です。
また、本当に重要なことは、エンディングノートではなく正式な遺言書として残しておきましょうね。