血液中のコレステロールが過剰になると、血管壁に付着して血管を詰まらせてしまうなど動脈硬化の原因となります。
コレステロールを増加させる要因としてあげられるのは食の欧米化などで、生活環境が豊かになり必要な栄養分を十分に摂ることができるようになった反面、コンビニ弁当やファーストフードの普及で肉類や油を多く使った料理を摂る機会を増やすことになりました。
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動脈硬化の危険因子に注意
動脈硬化の危険因子として、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、ストレスなどがあげられます。
この中でも脂質異常症は中性脂肪やコレステロールが増加するため心臓の冠状動脈硬化や脳動脈硬化を起こしやすくします。
脂質異常症とは
血液中に含まれる中性脂肪やコレステロールなどの脂質が一定の基準より多い状態の場合脂質異常症と診断されます。
脂質異常症は異常値を示す脂質の種類によって、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症に分類されます。
問題になるコレステロールの種類は?
血液検査で確認できる項目として、総コレステロール値以外に、HDLコレステロール、 LDLコレステロールの値があります。
一般的に悪玉コレステロールと呼ばれているのは LDLで、善玉コレステロールと呼ばれるものはHDLです。
動脈硬化に関係が深いのはLDLコレステロールで、この数値が高い脂質異常症を高LDLコレステロール血症といいます。
高LDLコレステロール血症の診断基準
高LDLコレステロール血症と診断の基準になる数値は総コレステロール240mg/dl以上LDLコレステロール160mg/dl以上であることですが、高血圧症、糖尿病、喫煙習慣など他にも動脈硬化の危険因子を保有している場合には診断基準が厳しくなります。
高LDLコレステロール血症を改善するには
厚生労働省では日本人の食事から摂取するコレステロールの適量を男性が1日750mg、女性600mgを上限としていました。しかし科学的根拠が得られなかったとしてこの摂取基準目標量は撤廃されました。
ただし高LDLコレステロール血症の人は、乳脂肪や牛サーロイン、鶏皮などに多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量を減らし、植物や魚の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸を摂取することが望ましいでしょう。
コレステロールを多く食べ過ぎている場合にはコレステロールの摂取を制限し、食物繊維の摂取量を増やす必要があります。
コレステロール値の確認を
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞など死因の上位を占める疾患を発症するリスクを高めますので、総コレステロールを検査していく必要があります。
心臓病などの循環器障害を起こしてないか判定する基準にもなりますし、動脈硬化を予防することにも繋がります。